#19【病気記事】知っておきたい爬虫類の病気:代謝性骨疾患(くる病)

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「代謝性骨疾患」とは、くる病や骨粗鬆症などの骨に異常がみられる病気です。特にレオパが罹患することが多いのが「くる病」になります。今回はその「くる病」を中心にお話していきたいと思います。命にかかわる内容も含まれていますので是非最後までご覧ください。


[症状]

耳馴染みのある言葉だと「くる病」が挙げられます。骨の形成がうまくできなかったり骨自体が柔らかくなったりしてしまいます。そのために骨の湾曲や骨折、骨の変形などの症状が見られるようになります。症状が進行してしまうと自力で歩行できずに這ったような歩き方をしたり痛みから全く動けなかったりします。

また、神経に近い骨が変形や骨折になってしまうと体に麻痺を起こしてしまい排泄ができなくなる場合や顎関節などの骨の変形で食事などを摂れなくなる場合もあります。

病気が進行して低カルシウム血症になることもあり、その状態を放置していると死に至るケースもあります。


今回はモネペットクリニック様の『ヒョウモントカゲモドキの代謝性骨疾患(強直性痙攣伴う)』の写真を引用させていただきました。ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)以外の代謝性骨疾患の生体も記事にされておりますので是非ご覧いただきたいと思います。

この写真のように、骨が湾曲し、頭部が変形してしまっているのがよくわかります。

引用元:モネペットクリニック様ブログ記事より(URL:https://mone-pet.com/blog2/iguana/post-428/


[原因]

原因としては主にカルシウムやビタミンD3を始めとする栄養不足からなる病気になります。特に成長期であるベビーヤングの個体では、成長とともに骨を育てていかないといけません。そのためカルシウム不足になりやすく代謝性骨疾患になることも多々あります。また産卵期のアダルト個体も卵を形成するために体内のカルシウムを消費しているので、カルシウム不足に陥りやすいです。

カルシウムを与えると同時に効率よく吸収できるようにビタミンD3もあるとよいかもしれません。

しかし、ビタミンD3を体内で合成するためには紫外線が必要となります。昼行性の生体であれば市販の紫外線ライトを活用すれば自身でビタミンD3の合成が可能です。ただし、レオパは夜行性であるということとケージが紫外線ライトを使用するのに向いていない形状であることからあまり紫外線ライトが使用されているケースは稀になります。


[対処方法]

治療方法としては、不足しているカルシウムやビタミンを与えるということが挙げられます。給餌の際に餌にカルシウム剤を添加をしたり、ケージ内にカルシウム剤を常設することで、カルシウムを摂取できる環境を作ります。

ビタミンD3も同様に給餌の際に与えるとよいですが、ビタミンD3の摂取しすぎも生体に良くない場合もあります。そのため使用するビタミン剤の適切な使用量を確認して添加するようにしましょう。

代謝性骨疾患が疑われる場合は速やかに動物病院に相談し早期の治療が大切になってきます。

診断の結果、食欲がある場合は給餌でエサにカルシウム剤やビタミン剤を添加して治療します。しかし、カルシウムの添加を大量にしてしまうと便秘を引き起こしてしまうこともあるので注意しましょう。


毎日の給餌などでカルシウムやビタミンなどの栄養を適切に摂り代謝性骨疾患にならないように予防をすることが大切になってきます。

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