0.はじめに
1.レオパードゲッコーと尿酸:基礎知識
1-1. レオパードゲッコーとは:特徴と基本的な飼育環境
まずは、レオパードゲッコー(レオパ)について簡単におさらいしていきましょう。レオパはヘビやカメ、カメレオンと同じ「爬虫類」の仲間で、哺乳類や鳥類ではありません。変温動物であり周囲の気温によって自分の体温を調節している動物になります。そのために周囲の気温が低いと活動が鈍くなり代謝も悪い状態で餌の消化も出来なくなってしまいます。そうならないためにケージに熱源機器の設置や室温をあげるといったことが必要になります。熱源機器を設置する場合は全体に置くのではなく、ケージ内の温度に勾配ができるように一部にセットするとよいでしょう。レオパが自分で暖かい場所、涼しい場所を選ぶためにケージは小さすぎないように1辺が30センチ以上あるものが好ましいです。
1-2. 尿酸の役割と重要性:爬虫類の健康における意味
尿酸とは、レオパが排便をする際に一緒に排泄される白色からやや黄色を帯びた塊のことを指します。レオパの体内でタンパク質の最終分解産物を尿酸として排泄することになります。基本は白色からやや黄色を帯びている尿酸ですが、総排泄腔内や尿経路、生殖器系に出血・炎症がある場合には血液が付着することがあり、肝臓に異常や溶血性疾患の可能性があります。排泄や尿酸を調べることでレオパの健康状態をはかるものさしとして活用することができます。
2.尿酸に関わる体調不良
2-1. 高尿酸血症とその影響
高尿酸血症は腎臓に障害があることで血中の尿酸値が高くなります。他にも脱水や給餌内容によって高尿酸血症を引き起こす要因になる可能性があります。高尿酸血症になると、尿酸が体内に沈着してしまい、痛風に繋がることもあります。
レオパは痛みから動くことを嫌うようになり、元気がない食欲がないといった症状も見られるようになります。また沈着部分を気にしてその部分を壁にこすりつけたり、自らを噛むなどの行動も見られることがあります。
脱水にならないように清潔な水の管理や給餌でバランスの取れた食事を心掛けるようにしましょう。
3.飼育環境と尿酸の健康
3-1. 水分摂取と尿酸の排出
水入れを用意して常に新鮮な水が飲めるように毎日水の入れ替えはしておきましょう。水入れに排泄物や床材が入っている場合はすぐに水を入れ替えてあげましょう。水入れ自体も定期的に洗い清潔に保ちましょう。不潔な水を飲んだり水分不足からレオパの腸内の健康が損なわれるリスクが増えていき、腎臓に異常を引き起こす原因にもなってしまいます。
3-2. 飼育温度の影響
レオパを飼育していく上でケージの温度はかなり大切なものになります。
保温機器の一つにパネルヒーターがあります。このパネルヒーターはケージ内の温度をあげるものではなくレオパの腹部を温めるものという認識で使用するとよいでしょう。レオパの腹部を温めることで腸の動きを活発にし排泄を促すことで、腸内のトラブルのリスクを軽減する役目を担っています。
3-3. サプリメントと栄養のバランス
サプリメントの与え方にはいくつか留意する点があります。ビタミン剤やカルシウム剤などのサプリメントが市販されていますが、これらのサプリメントを適切に扱うことでレオパの健康状態を良好に維持できるようになります。 逆に扱いを間違ってしまうとレオパに害を与えてしまう結果になるかもしれません。それぞれのサプリメントの説明書を読んで用法用量を守り使用しましょう。
4.症状の認識と対処法
4-1. 異常な排泄物の見分け方
排泄物を毎日確認を日課にして、きちんと排泄しているか、異物混入をしていないか、色がおかしくないか、消化不良を起こしていないかなどの異変を発見できるようにしておきましょう。
健康な尿酸は白色からやや黄色を帯びた色をしています。
赤やピンク、緑色になっている場合はなにかしらの不調を示していることになります。ただし、異常がない場合でも給餌の内容によって尿酸がピンクや赤紫色になることもあります。このような尿酸を排泄して心配の場合は排泄した尿酸を乾燥させず、動物病院に相談しに行くとよいでしょう。
4-2. 緊急時の対応:獣医師への相談
定期的に健康診断を受診することをおすすめします。飼育方法の相談や間違えがあればアドバイスをしてもらえることもできます。飼育していて違和感がある場合は早めに動物病院に行くようにしましょう。飼い主が異常に気づいた時点ではすでに病気が進行して、様子見をしすぎて手遅れになったということにならないようにしましょう。
5.よくある質問
質問1:尿酸の硬さはどれぐらいが適切ですか?
回答:指で押しつぶしても簡単には壊れないぐらいの硬さが通常です。
質問2:病院に排泄物を持っていく時はどうすればいいの?
回答:乾燥させないために、ラップやチャック付きポリ袋に入れて持参するとよいでしょう。
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