#2【改めて知ろう!】レオパって、どんな生き物なの?

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1.レオパの基本情報

1-1. 名前の由来と分類

レオパ、そもそもその名前も略称です。英語でレオパードゲッコー(Leopard Gecko)というため、レオパの呼ばれるようになりました。ちなみに和名の場合はヒョウモントカゲモドキという名前です。

トカゲモドキ・・・というすごい釈然としない名称です。

生物の分類学では、「トカゲ亜目」の中の、「ヤモリ下目」の中の、「ヤモリ科」の中の、「トカゲモドキ属」の中の、ヒョウモントカゲモドキになります。

つまり、レオパは、トカゲでもあり、ヤモリでもあります・・・!!

 

1-2. 生息地と自然環境

野生のレオパは、インド、パキスタンなどの中央アジアの、完全な砂漠地帯ではなく、岩などが広がる荒野に生息しています。そのため、日中は強い日差しから身を守るために木陰に隠れ、湿度の上がる夕暮れから活動を開始します。

実際に、ペットのレオパの部屋の明かりを消して、少し立つとシェルターから出てきて、活動的になるイメージがありますね!

 

1-3. 特徴と体の構造

1-3-1. 大きさと体重

レオパは、ベビー期・ヤング期・アダルト期に大きく大別することができ、それによって体のサイズも変わります。

時期によって、接し方や飼い方も変わってきますので、それぞれの変化を観察してみましょう!

ベビー期:

・生後3、4ヶ月頃までの赤ちゃんの時期

・大きさは10cm未満で、体重も20g未満が多い

・まだ繊細な時期であり、丁寧な育成が必要になる。

 *初心者の方にはベビーはあまりオススメできません。まずは生後6ヶ月以降の子から始めてみましょう!

 

ヤング期:

・生後4ヶ月〜12ヶ月の青年期

・大きさは10cm~20cmほどで、体重も20g〜50gが目安です。

・体の成長が進み、ほぼ大人と同じような体つきになります。

 

アダルト期:

・生後1年以上の大人期

・大きさは15cm~28cmで、体重も50~90gが目安です。

 

1-3-2. 成長のための脱皮

レオパは成長と共に脱皮をします。

脱皮が始まる数日前に、体の色が白っぽくなり、足や口を使って白くなった古い皮膚を剥がし始めます。脱皮にも個性があり、10分程度で完了する個体も入れば、1日かけて脱皮するものもいます。

通常脱皮した古い皮膚は、脱皮しながら食べてしまいます。脱いだものが残っている場合や脱皮ができていない箇所がある場合は、獣医に相談しましょう。

アダルト期(生後1年以上)の場合、2~3ヶ月に1回ほどのペースで脱皮を行います。

 

1-3-3. レオパの目と耳と鼻

みなさんは、レオパがご飯を食べている姿を見たことはありますでしょうか?

ピンセットで餌をつまみ、目の前で動かしながら、それに気づいて、勢いをつけてパクリッ!。

この餌を食べるシーンが好きという方も多いと思います。

では、レオパはどうやって餌を認識し、狙いを定め、距離感を測っているのでしょうか?

レオパは、餌を含む外部情報の獲得の多くを、耳(聴覚)や鼻(嗅覚)で行っています。

一方で、目(視覚)は非常に弱いと言われています。餌やりに関しても、匂いや飼い主がケージを触る音などで餌の時間であること認識していると考えられています。

餌をちゃんと食べてもらうためにも、普段はケージをあまり触らず、ケージの音=餌という認識を持たせると良いとされています。また餌を選ぶ際も、人工飼料の場合は匂いが強いものを選ぶと嗜好性が向上する可能性が高いです。

 

1-3-4. 尻尾の役割と自切

レオパの外見の特徴として、プリプリとした尻尾がとてもかわいいです!

尻尾には普段の餌から吸収した栄養を蓄積することができ、貯蔵庫のような機能があります。

アダルト期(生後1年後以降)になってからの栄養状態を確認するのに、尻尾の太さやプリプリ感は重要なバロメーターになります。

一定程度の太さがあれば、1~2週ほど餌を食べなくても問題なく過ごすことができます。一方で、拒食が続き、尻尾が細くなってきた場合は、獣医にかかるべきでしょう。

そんなかわいいの象徴の尻尾ですが、

外敵との接触や身の危険を感じた場合、自切してしまうケースがあります。

自切後、切れた尻尾はその後も動き続け、尻尾を囮にしてレオパは危険から脱出するという術を持っています。飼育している際にも、無理に尻尾を触ることやケージに強い衝撃を与えてしまうことは自切に繋がるケースもありますので、細心の注意が必要です。

自切したあと、尻尾は再生します。再生尾はもともとの尻尾より太く、短くなるケースが多いです。

 

2. 生態と行動

2-1. 食性

レオパは肉食の生き物で、一番の好物は昆虫です!レオパを飼う以上、昆虫にも慣れる必要があります。上記の通り、嗅覚と聴覚が発達し、視覚が弱いレオパは基本的には動いているものを餌として認識する習性があります。

その習性から生きている昆虫(活餌)がもっとも餌に適していますが、生きている昆虫を管理することも大変です。嗜好性の高い人工飼料や冷凍餌など、その生体にあった餌を探し出す必要があります。

 

2-2. 夜行性と睡眠パターン

レオパは夜行性の生き物です。そのため、飼い主が消灯する時間に合わせて行動を開始し、シェルターから出てきます。食事を済ませた後、朝まで活動し、朝を迎えるとシェルターに戻り睡眠を取ります。

 

2-3. 性別とオスとメスの見分け方

レオパにもオスとメスが存在し、外見から性別がわかるのは生後だいたい3ヶ月頃からです。

性別の見分け方は、生殖器の有無を確認する方法が一般的です。オスは総排泄孔の尻尾付近にヘミペニス(生殖器)が収納されている膨らみ(クロアカルサック)が2つ存在します。また、前肛孔がへのじに並ぶのもオスの特徴です。この膨らみは大人になるにつれて大きくなるため、ベビーの時はなかなか見分けるのが難しいです。

 

2-4. 性格

レオパの性格は、個体により本当にさまざまです。臆病で人が見ているとシェルターから出ず餌を食べない子もいます。逆に、餌でなくても動いてるもの全てに反応し、飼い主の指をあやまって噛んでしまう子もいます。人間や他の動物と同様に性格はそれぞれです。その子の個性を正しく把握し、その子にあった飼育が必要です。

 

3. 飼育の基本

3-1. 飼育環境の設定

3-1-1. 適温と冬眠

レオパの飼育において、飼育環境を整えるのは非常に大事です。特に日本のような四季のある国での生育の場合、温度の管理が一番神経を使う部分でしょう。

温度計、できれば湿度計つきの温度計をケージ内に必ず設置しましょう。

ケージ内の気温が25~30度になるように管理します。

ケージの中で温度勾配を作り、レオパ自身が暖かいところと比較的涼しいところを行き来して調節できるようにすることが望ましいです。

温度勾配を作る場合は低温部25~30度、高温部30~32度程度がよいとされています。

また、パネルヒーターをケージの下に敷いた場合、直上の底面が熱くなり、低温やけどを起こす場合があります。

ヒーターの上にはシェルターを置かないようにしましょう。

またサーモガンで直上温度が確かめられると安心です。

 

温度管理に使うのはパネルヒーターのみでなく、エアコンでの温度管理、断熱材を用いての管理、保温球とよばれるあたためるためのライトなど様々な保温器具があります。

予算や居住地の気温(特に冬の低温期)、ライフスタイルなどに合わせて保温器具を使用しましょう。

サーモスタットやタイマーなど、自動で器具をオンオフしてくれる用品も便利です。

 

夏場は逆に、外出中エアコンのついていない部屋は、場所によっては35度を超すような高温になることも。

短時間であれば少々の高温にも強いとされてはいますが、小さい体ですので、脱水になるとすぐに体調を崩します。

真夏の時期は不在時の温度にはよく気をつけましょう。

高くなるようであればエアコンでの管理をおすすめします。

同じ理由で直射日光が強く当たる窓際へのケージ設置にも注意が必要です。

 

本来レオパは自然下では冬眠を行います。

代謝を下げて、省エネモードになり寒い冬をやり過ごします。

飼育下では、繁殖準備のためクーリングといって冬眠をさせることもありますが基本的には年中加温してクーリングをしない方がトラブルが少なくなります。


3-1-2. ケージのサイズと設備(シェルターなど)

レオパの飼育には、適切なサイズのケージが必要です。ケージは最低でも横幅30cm以上のものを使用します。

初心者のうちは市販のケージを使用するのが管理の面でも逸走防止の面でも好ましいです。

観音開きタイプのケージを使うと日常のメンテナンスがしやすくなります。

プラやアクリル製のケージは軽いため汚れた際の丸洗いが楽になります。

また、広すぎるケージは温度管理が難しくなりますが、ある程度広さがあって高さが30cm以上あるとケージ内のレイアウトが工夫でき、新しい仕草や立体行動を観察することができます!

ケージの中にはレオパが安心して過ごせるシェルターを用意しましょう。

また温度管理のための温度計や保温器具を設置します。



3-2. 飼育下での食事と栄養

3-2-1.大きさごとの食事の頻度

ベビー期:

・生後3、4ヶ月頃までの赤ちゃんの時期

・成長に必要な栄養が一番重要な時期で、餌も食べるだけ食べさせる時期

・1~2日おきに、食べるだけ餌を与えましょう。食べるなら毎日でも良いでしょう。この時期のタンパク質摂取量が将来的なの体の大きさに影響すると言われています。

 

ヤング期:

・生後4ヶ月〜12ヶ月の青年期

・大きさは10cm~20cmほどで、体重も20g〜50gが目安です。

・体の成長が進み、ほぼ大人と同じような体つきになります。

・活動量が多い個体/時期の場合は、1~2日おきに食べるだけ与えましょう。

・活動量が少ない個体/時期の場合は、2~3日おきに食べるだけ与えましょう。

 

アダルト期:

・生後1年以上の大人期

・大きさは15cm~28cmで、体重も50~90gが目安です。

・2~3日おきに、3~6匹程度のコオロギを与えましょう。

※体は成熟し、代謝も落ちるため、肥満には注意が必要です。

 

3-2-1.餌の種類と特徴

レオパの餌には、大きく4種類あります。それぞれの特徴があるため、自分のレオパの好みや飼い主のライフスタイルを踏まえて選択する必要があります。

 

①活餌

最もレオパの生態に適しているのは、”生きている”昆虫、活餌です。コオロギ、ミールワーム、デュビア等が飼い主も管理がしやすく、嗜好性も高いため人気です。購入する店舗や送料などにもよりますが、1匹あたり5~10円で購入することができます。コオロギの場合、ベビー期(体が小さい時)は、基本的に食べるだけ与えても大きな問題はありませんが、目処として毎日3~4匹あたえるといいでしょう。アダルト期(体が15cmほどの時)は、2~4日に1度、4~5匹を与えます。

*冷凍餌や人工飼料で育てることもできますが、体調が悪い時や急に食べなくなる時、活餌を飼育者が扱えるのは、非常に大切です。虫が苦手な方もレオパの飼育をする以上、責任を持って、活餌を扱えるようにしておきましょう。

 

②冷凍餌

①の活餌を冷凍し保管するのが、冷凍餌です。冷凍庫で管理、解凍し、直接給餌することができます。保管や維持が簡単なのが特徴ですが、活餌と比べるとどうしても嗜好性が劣ります。冷凍庫のスペースを取ってしまうのもやや難点です。

 

③人工飼料(人工フード/人工餌)

近年、開発が進み多様化しているのが人工飼料です。常温で保存できるものが多く、扱いやすく、お手軽に給餌することができます。活餌と比較すると、嗜好性はどうしても劣りますが、徐々に改善が見られています。

 

④サプリメント

レオパの健康維持をする上で、上記の餌と併用する形で、サプリメントを与えることが必要です。レオパ用のビタミン剤やカルシウム剤が販売されているため、振りかけたり、混ぜたりしながら、一緒に給餌する必要があります。

 

4. 種類とモルフ

4-1. レオパードゲッコーの種類(モルフ)

  • ハイイエロー:もともと原種から特に黄色みの強い個体を掛け合わせて作出された品種。一般的に「ノーマル」と呼ばれるのはこのモルフが多い。強健な個体が多く根強いファンが多いのが特徴
  • タンジェリン系:ハイイエローを一歩進め、中でもオレンジ色が強く表れた個体同士を交配させてできたモルフ。各ブリーダーのオリジナル品種(ライン)も多くとても奥深いモルフ
  • マックスノー:子供の時期は白く大人になると黄色みが出る、一粒で二度おいしいモルフ。同系統には、白地に細かい黒点が散りばめられ、真っ黒な目をもったスーパーマックスノーと呼ばれる美しいモルフもある
  • アルビノ系:色素が薄くなり淡く美しい色合いをもつ品種。目にも特徴が現れ、茶~赤色まで神秘的な表現が現れる。主に3種類の系統があり、それぞれ魅力がある
  • ブラック系:レオパ飼いなら一度はあこがれる黒い個体。流通量の少ないモルフなので高価な生体が多い
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